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2010年8月 3日 (火)

イケメン?俳優・五月女璃玖の事件ファイル - 呪いの歌殺人事件 #04

移動中、璃玖は携帯電話から某フリー百科事典で「神城壱弥」について調べてみた。
有名な時代劇俳優の神城京助(きょうすけ)を父に、アメリカ人と日本人のハーフである元歌手のケイト・ヴァーミリオンを母に持つ神城は、3歳で子役劇団に加入。5歳にはテレビドラマに出演していたらしい。
小学生が多くレギュラー出演するバラエティ番組で人気を集め、13歳で大物監督が手がける長編アニメーション映画で主演に抜擢。現在はドラマや声優、そして子役出身の二世タレントらしからぬ奔放なキャラクターでバラエティ番組にも多く出演している。
ただし、テレビで父親の神城京助の話をすることは一度もないという。
(…とはいっても、何度かテレビで見た印象ではホントに頭悪そうなただのガキみたいな感じなんだよなぁ…オレと同い年だってことも今まで知らなかったし)
そんなことを思っていると、璃玖は車が見慣れぬビルに到着したことに気づいた。
 
「いらっしゃいませ、五月女璃玖さんとそのマネージャーさんですね」
車を降りた璃玖を出迎えたのは、縁なし眼鏡にネクタイ姿の男だった。後ろに括られた長い黒髪と右の目尻にある泣き黒子が印象的だ。
「僕はこのサウンドフォレストのスタッフをしています、八雲大地(やくもだいち)と申します。神城さんたちは中でお待ちですよ」
八雲は爽やかな笑みを向ける。
「アタシは駐車場に停めてくるから、璃玖ちゃんは先に壱弥くんのトコに行っててね」
そう言うとモモコは車を進めて行ってしまった。
「さあ、こちらへどうぞ」
璃玖は相変わらず人が良さそうに笑う八雲に連れられて、ビルの中へ入っていった。
 
「失礼します、八雲です」
応接室の前に着くと、八雲は折り目正しくノックし発言してからドアを開けた。
「五月女璃玖さんをお連れいたしました」
八雲の開けたドアを入った璃玖は、応接室の中に一人座っている青年の姿を認めた。テレビで見たことがある神城壱弥そのものだった。
「あ、どうも…五月女璃玖です…」
同い年とはいえ一応相手の方が芸歴は何倍も上。璃玖は軽くお辞儀をして見せる。
壱弥は少し驚いたような顔をしていたが、すぐにその表情を綻ばせて立ち上がる。
「…って、同い年だよねぇ?そんなかしこまらなくていいって」
璃玖のほうへ歩み寄った壱弥は、璃玖の姿をまじまじと見る。
「…え、な、何、ですか…?」
「…前から思ってたけど、あんた、本当にオンナみてえだよなぁ」
 
(えっ、バレてる…?!)
璃玖の身体は一瞬びくんとなった。

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